私急行 BBA列車で行こう

主に電車の中で映画を見るBBAに差し掛かった女のネタバレ感想ブログ

3.アルカディア(2018年)

共同生活を営むカルト教団から脱出した兄弟の10年後の話。

お兄ちゃんは10年前すでにそこそこに大人だったみたいだが弟は当時はまだ少年だった。お兄ちゃんは教団は集団自殺するのを目指していただの去勢されていただの、脱出当時マスコミに脱出理由として暴露したりしていた。しかし社会生活にイマイチ溶け込めず、つまらない日々を過ごしてるような気がしている弟はだんだん共同生活のがよかったんじゃないか…?と思い出す。ある日、どこからかビデオテープが送られてきて、キャンプの女性が「私たちは昇天に成功したわ〜」など楽しそうに謎の報告をしているのを見た弟は里心がついてしまう。共同生活のキャンプに行ってみたいと言う弟をお兄ちゃんはほっておけず、二人で訪ねてみることに。

行ってみたらなんだかのどかな雰囲気だしカルト教団ぽくないけどな〜となる弟。だがしかし、そこにいる人たちは10年前から全然老けてないことに怪しむお兄ちゃん。

実はこの共同生活キャンプの場は、「タイムループ」しているのだということがわかる。なにか得体の知れない神のようなもの(冒頭にクトゥルフの一文が引用されるのでその辺の類と思われる)がこのキャンプを支配していて、キャンプの人々は定期的にそのなにかに取り込まれ、またループして元に戻って生活を繰り返しているのだ。ビデオテープはキャンプの誰が送ったのかな?と気になっていたんだけど、誰でもなくてなにかさんみたい、器用やな〜。

なんやかんやありましてキャンプのリーダーと喧嘩してお兄ちゃんだけが追い出されたり、キャンプの周辺で別の時間軸のループに閉じ込められた人たちに会ったり、兄弟がまた再会したりして、さらに二人はキャンプの人々がなにかに取り込まれるのに立ち会ってしまう。そして二人も取り込まれそうになる。取り込まれたら最後、このループからはもう逃げ出せないのだ。車に飛び乗り逃げ出す二人。ループの境界線が鏡のようになっていて、もしかしたら抜け出せないかも知れないけど一か八か車で突っ込むと、その先にはそれまでの森とは違った普通の道が広がっていた。ループから抜け出せたことを喜ぶ二人。弟はずっとお兄ちゃんの言うままにしてきたことを不満に思っていたが、お兄ちゃんが自分のことを思っていたことを理解する。キャンプの入り口ではループして戻ってきた人々が、去っていった二人を見送るように立っていた。リーダーは、わずかに微笑みまたキャンプへと戻っていく。終わり。

 

なんかむつかしくてよくわかんなかったです。崇拝対象であるキャンプを支配しているなにかの正体ははっきりとは映らないので謎のまま。でも兄弟のわだかまりがとけたのはよかったし、キャンプのリーダーは二人を本当はこのループに巻き込みたくなかったのかな…?と思いました。小学生か。