私急行 BBA列車で行こう

主に電車の中で映画を見るBBAに差し掛かった女のネタバレ感想ブログ

MAMA(2013年)

なんか怖そうな化け物母ちゃんが出てくるらしいという前情報のみで見ることにしたら、私の最近の一押し女優ジェシカ・チャステインさんが出ているらしくわくわくで再生。

仕事関係の人間二人と妻を殺したビジネスマンが3歳と1歳の娘を連れて失踪。眼鏡のお姉ちゃんとまだよちよち歩きの妹ちゃんがかわいい。逃走中の車が事故ったので車を捨てて森へ逃げ込む三人。廃別荘のようなところに落ち着く。父ちゃんは三人を殺した拳銃で娘たちも殺そうとするが、その瞬間背後から何者かにあっさりと殺されてしまう。お姉ちゃんは眼鏡をかけていなかったので何者か、は見えていなかった。何も食べるものもない姉妹に、闇の中から何かが転がってくる。さくらんぼだった。

 

オープニングは幼児タッチのイラスト。最初は姉妹が暮らしている様子が、野犬に囲まれたり、やがて姉妹二人も犬のような姿勢に描かれるようになり、不穏…。

そして五年後…えっ五年!?五年も見つからなかったの!?五年さくらんぼは無理でしょ!

姉妹の父親の双子の弟は今も姉妹の行方を捜していて、ついに発見の連絡が。捜索していたおっちゃん二人が廃別荘で姉妹を見つけるシーンが怖い。おっちゃんたち気を付けて…化け物がいるから殺されないで…あっ!物陰から小さい黒い影が!!と思ったらそれは四つん這いで這い回る野生化した姉妹だった…廃屋の化け物より野生化した姉妹のが怖いし悲しい…。

保護された姉妹は親権裁判などを経て叔父さんと叔父さんの彼女(チャステインさん)と暮らすことに。姉妹の母親の叔母さん(姉妹からすると大叔母さん・子供なし)と親権を争ったんだけど姉妹の主治医が叔父さんについたので勝ったのかな?大叔母さんは面白くなさそう。この人からしたら姪を殺した男の弟(しかも双子だから同じ顔)が姪の娘を引き取るなんて嫌だろうな。

お姉ちゃんは言葉も覚えててパパとそっくりな叔父さんの顔を見て「パパ…」と抱きついたりして人間味があるんだけど、妹の方はまだまだ社会性のつかない時期に野生化したのでまだちょっと動物…。それでも叔父さんと彼女(アナベル)との生活で少しずつ人間に戻ってくる。アナベルは子供大好き優しいお姉さん!ていうタイプではなく黒髪ウルフヘアでタトゥーの入ったパンクお姉ちゃん。姉妹に対しても母性〜て感じはないんだけど、恋人の希望でちょっとしぶしぶ同居する感じ。でも夜中に窓から家を出て庭で寝ていた妹を朝になって抱いて家の中に連れ戻し、冷え切った体を抱いて冷たい手を息で温める行動に少しだけ妹も心を開いてくれる。

だが家には姉妹が五年間の間一緒に暮らしていた存在「MAMA」も来ていたのだった。アナベル達の気付かないところで姉妹と遊んだりしている姿の見えないMAMA…。そして深夜、叔父さんはMAMAに排除され階段から落ちて重症、入院することに。アナベルは女性だからMAMAと感応したのか、修道女から力づく赤ん坊を取り返す女性視点の夢を見る。修道女を刺した女性は赤ん坊を抱いたまま人々に森を追われ、崖っぷちに追い詰められる。赤ん坊を抱いたまま崖から飛び降りる女性…。女性は湖に落ちて亡くなったが、赤ん坊は落ちる途中で木に引っかかったのか女性の手を離れてしまった。

女性は今も赤ん坊を探し求めて森を彷徨い続け、姉妹と出会ったのだった。そして姉妹を迎えにくる女性・MAMA。妹はMAMAを本当の母親と思っているが、お姉ちゃんはMAMAが恐ろしい存在なのも気付いている。だからといって拒絶もできない。アナベルを巻き込むことはできないとも思っている。姉妹を追うアナベルと自主的に退院してきた叔父さん(死んだ兄が夢枕に立った)。MAMAが飛び降りた崖で対決だ!アナベルは姉妹の主治医が調査していて見つけた、閉鎖された墓所から引き取り手がなく書庫に保管されていた「赤ん坊の遺体」をMAMAに渡す。それを抱きしめ崖に向かうMAMAだが、妹がMAMAを呼んでしまう。生きて自分を呼んでくれる妹(とお姉ちゃん)をやっぱり連れて行くことにして(遺体ポイー)二人を抱いて崖に向かうMAMA。叔父さんは一撃でのされてしまう。アナベルは諦めないで何度地面に叩きつけられても追いかけてお姉ちゃんの腕を掴む。アナベルと一緒に生きることを選ぶお姉ちゃんだが、妹はMAMAと一緒に行くことを選んでしまう。そしてMAMAと妹は崖から飛び降り、たくさんの蝶となって消えてしまうのだった…。

生きていた叔父さんと、アナベルと、抱き合っていたお姉ちゃんの指先に一瞬、蝶が一匹止まって去る。お姉ちゃんは蝶を見て、妹の名前を呼んだ。終わり。

 

製作総指揮がギレルモ・デル・トロなので随所にデル・トロ感が。特に冒頭の幼児絵オープニングと最後の蝶の感じが。

叔父さんはあんまり役に立たないんだけど、人は良さそう。とにかくアナベルが叔父さん入院後も一人で自分なりに頑張っていたなあという感じ。アナベルは登場時、妊娠検査薬を眺めて「よし!」と陰性を喜んだり母親になりたい気持ちないでーす!という描写がわざわざあったのでそれがストーリーのキーになるかなと思ったが特になかった。でもなくてもよかった気もする。