私急行 BBA列車で行こう

主に電車の中で映画を見るBBAに差し掛かった女のネタバレ感想ブログ

手紙は憶えている(2016年)

これ見たの8月なんだけど!!(下書きの保存日時)

ラストでうわーっ!てなるからネタバレとか見ないで見たほうがいいタイプの映画だと思います!このブログは私の記録用なのでネタバレします!

 

老人ホームで暮らすゼブはまだらぼけのおじいちゃん。妻は最近亡くなったばかりなんだけど毎朝目覚めるとそれを忘れて妻の名前を呼び混乱して、ホームの人に妻の死を教えてもらう日々。ゼブはかつてアウシュビッツ収容所にいて、そこで家族をナチスに殺され、生き残ってアメリカに移住してきていた。老人ホームで収容所の同じく生き残りのマックスと偶然にも再会。マックスは殺された家族の復讐として、戦争犯罪者として裁かれることなく名前を変えてアメリカに暮らす元ナチスを探し出して殺すよう、ゼブに手紙を持たせてホームの脱走を企てる。マックスは頭はしっかりしてるが車椅子に乗って病気がちだが、ゼブは身体はめっぽう丈夫だからだ。妻が亡くなったゼブはマックスとの約束を果たすため、一人電車に乗るのだった。マックスの手紙には、ターゲットのナチスと思われる候補者四人の居場所と、それから目を覚ますたびに記憶がリセットされるゼブのためにこれから行うべきこと(銃の調達や、候補者のところへの行き方、ホテルなど事細か)が丁寧に説明されているのだった。

 

要は認知症おじいちゃん版メメント。起きるたび妻の死を忘れ、思い出すゼブが切ない。

一人目は別人(ナチスだったが、アウシュビッツにはいなかった)。

二人目はナチスではなくゼブたちと同じ元収容者。収容者は腕に数字の羅列の焼印?刺青?がされていて、二人目は同性愛者だったから収容された人だった。ゼブは自分の腕にも同じものがあるのを彼に見せるのだった。

三人目はナチスだったけどもう死んでた。さらに収容所の当時はまだ子供だった。家を訪ねると息子がいて、この息子が親父のナチス思想をまるっと受け継いでいる。最初はゼブを父親の友人だと思って楽しく酒を飲み交わすが、ゼブの腕の数字を見て元収容者だとわかると豹変してゼブを嘘つきと責め立てる。つい銃で撃ってしまうゼブ。

そして四人目の家へ辿り着くゼブ。ゼブの息子はホームから消えた父親を探しており、クレジットカードの使用からすぐ近くまで追ってきていた。四人目は山奥の別荘のようなところに娘と暮らしているらしく、早朝なのに快く出迎えてくれる娘。待っている間、リビングのピアノを弾くゼブ。現れた男はゼブが収容所時代の関係者とわかっているようだった。娘と孫娘が朝食の準備をしている中、外に出る二人の老人。ゼブは男に自分がかつてアウシュビッツにいたナチスの「オットー・ヴァリッシュ」であることを認めるように詰める。驚く男。

 

「オットー・ヴァリッシュは君じゃないか」

 

男はゼブという名前の由来を知っていた。アメリカに来る時にゼブ自身がつけた名前だ。戦争犯罪者とバレないように収容者を装った、その為に二人で自分の腕に収容者の番号を入れた。男はゼブと一番違いの数字を見せる。混乱するゼブ。そこへ父親を追って訪ねてくるゼブの息子。ゼブは、相手の男を撃ち殺すと自分も撃った。

 

老人ホームの共同スペースのテレビでゼブの起こした事件が報じられているのを見る入居者の老人たち。それを見ているマックス。マックスは収容所で家族を殺された復讐のために、偶然ここで再会したゼブ(認知症で自分が元ナチスのオットー・ヴァリッシュであることを忘れている)を言葉巧みに復讐の旅へと誘導したのだった…。終わり。

 

ラストの元ナチス二人のやりとりで真実がわかると「ええ〜…そういうことなの…!!」と愕然とした。ゼブが哀れで…。自分の過去の罪さえも忘れて、それを償わされる、道中もじいさんだからひいひいしてるしさ。マックスの気持ちも、わかるんだよね、辛い思いをしてずっと生きてきて…。