私急行 BBA列車で行こう

主に電車の中で映画を見るBBAに差し掛かった女のネタバレ感想ブログ

疑惑の果てに(2011年)

若くして亡くなった名士の娘で精神科医の妻、警察署長の夫、法医学者を目指す優秀な娘。そんな理想的な家族だが、妻にはある秘密があった。

 

ある秘密とはぶっちゃけると、DV被害にあってカウンセリングに来ている女性を助けるために、秘密裏にDV男をぶっ殺していること。被害者女性もそのことは知らない。

数年前に埋められた白骨死体が発見されて署長は捜査を開始するんだけど、これを殺ったのは奥さんでーす!奥さんの患者だった女性をDVしていた内縁の夫が白骨死体。

じゃあなんで奥さんはそんなことしてるのかというと、奥さんにだけ見えている「謎の少女」が奥さんに殺人を焚きつけているのだった。この少女は実は奥さんの少女時代。つまり奥さんは過去の自分という別人格に殺人を強いられているのだ。少女時代、奥さんとその妹は実父に性的虐待を受けていた。そして、あるときついに父親を手にかけてしまったのだ(持病の薬を別のものと入れ替えたか、持病の薬を隠した?病死扱いとなった)。それを契機に、同じような目にあっている女性を助けるために男を殺してしまうのだった。

妹のDV彼氏も殺すし、奥さんの殺人に気付いたクリニックの受付女性の旦那も殺す!この受付女性は実はレズビアンで女性の恋人がいるのだが、お金目当てなのか年上の金持ち男性と結婚している。この男性はDV野郎でもなんでもない、むしろ優しいのだが、受付女性がさも暴力を振るわれているかのように偽装し奥さんに相談してまんまと殺させてしまうのだった。

被害者の妻や娘、恋人が自分の奥さんの患者であるという事実に気付いた署長はこっそり犯人の指紋と奥さんの指紋を照合してしまう。一致の結果にどうする署長…まさか隠蔽…?

 

ちゃんと逮捕するのだった。

泣きながら見送る娘(娘も祖父のことを調べていくうちに事実に気付いてしまった)の肩を抱く署長。妹やお母さん(認知症)、知り合いの人々がたくさんいる中、パトカーに無言で乗る奥さん。

パトカーの車窓から、外を歩く少女時代の自分がいた。

安心したような、放心した顔をしている奥さん。終わり。

 

そもそもの発端は実父が最悪クソ野郎だったことで、でも名士だったから死後もなにかと殺した父親の威光がすごくて、そのストレスや姉妹の秘密を抱えていることから少女時代の自分が生まれてしまったのかなあ。