私急行 BBA列車で行こう

主に電車の中で映画を見るBBAに差し掛かった女のネタバレ感想ブログ

ファイティング・ダディ 怒りの除雪車(2014年)

リーアム・ニーソン主演の「スノー・ロワイヤル」楽しみだな〜除雪してやる!流行る!などと思っていたら目に留まったこのタイトル。リメイク元らしいのでリーアム・ニーソン版の前に見てみることにした。

舞台はノルウェーの田舎。最近ノルウェーが舞台の映画によく当たる不思議。除雪作業を営むニルスは市民賞を受賞することに。夫婦で出席した誇らしい授賞式の晩、ニルスの一人息子は勤め先の空港のロッカールームで見知らぬ男たちに拉致される。投げ込まれた車の中には同僚が。何かを注射される息子。同僚は走行中の車から飛び出して逃げ延びる。

息子の死を知らされ警察に駆けつける夫婦。薬物の過剰摂取が原因として捜査などする気のない警察に、ニルスは息子は薬物なんてやらないと食ってかかるが、妻は薬物中毒なんて気付かなかった…と落ち込む。

葬式の後、ニルスのガレージに息子の同僚が忍んで尋ねてくる。息子はなにも知らずに同僚がマフィアから小遣い稼ぎで受けていた薬物密輸の片棒を担がされており、同僚が出来心で一袋盗んだことで巻き添えで殺されてしまったのだった。

同僚が知っているマフィアの男はたった一人。ニルスはそいつを訪ねていき、まさかのワンパンツーパンであっさりのすと、息子の殺害を指示したマフィアの名前を聞き出しあっさりと殺す。死体は金網?でぐるぐる巻きにして崖から滝の中にエーイ!!画面は暗転して、十字架と死んだ男の名前が…チーン。そういえば息子が死んだ時もこの画面が出たので、どうやら死ぬとこの画面が出るらしい。面白いやんけ。

芋づる式に三人のマフィアを殺してエーイ!チーンしたニルス。夜中にどっか行く夫に愛想をつかして奥さんは白紙の便箋を封筒に入れて家を出てしまう。ちょっと心を病んでた感もある。冒頭仲が良さそうだったのに、息子の死で突然に亀裂が入ってしまった感じでちょっと二人ともかわいそう。一方マフィアのほうも、部下が続けて失踪したことに気付く。マフィアのボスは妻と離婚して小学生くらいの息子の親権を半分こして一週間交代で面倒見てるハーフアップちょんまげ野郎で、パパから跡を継いだ2代目ボス。ヴィーガンなので息子にシリアルなんか食わさねーし!と元妻に育児してますアピールするけど実際は部下に指示してるだけで口ばっかり。部下の金髪顔でかいおじさんは美味しいシリアルをボスの息子ルネ(この映画、息子が多いので以下ルネ)に出してあげて一緒に食べてあげてる。ボスはマフィアのシマを分割して協定組んでるアルバニア人(実際にはセルビア人だがボスはなんかアルバニア人と区別できないのかわざとなのか部下にセルビアっすと突っ込まれても曲げない)マフィアの仕業じゃね?!報復だ!さらってこい!と浅知恵。拉致されたセルビアマフィアは拷問されても失踪した部下の居場所など知るはずがない。ボスはアホなのであっさりセルビアマフィアを殺し、道路標識に括り付けて、セルビアマフィアにご丁寧に死体遺棄現場を見にくるように連絡までする。殺されたのはなんとセルビアマフィアのボス(以下おじいちゃん)の息子で、初仕事だった!泣くセルビアマフィアたち。目には目を、息子には息子を!というわけでルネ誘拐を計画するセルビアマフィアたち。

一方ニルスはこれから先、マフィアのボスを始末するのにどうしたらいいか元マフィアの兄貴(そんなんいたのか)に相談に。なんと兄貴のマフィア時代のボスの息子が例のマフィアのボスだった。パパ時代に足を洗った兄貴は殺し屋を使うようにアドバイス。紹介された日系デンマーク人殺し屋は前金制断固拒否で全額よこせとごねる。しょうがねぇな…と全額渡したらコイツ、ターゲットのところに行って「アンタを殺すように依頼してきたやつの情報売ってやってもいいけど?」ってクズ〜!ボスはお金払って依頼人の名字を教えてもらい、「俺契約破るやつ嫌いなんだよね〜」と言って殺し屋をぶっ殺す。チーン。

ボスは教えてもらった名前を「親父の代の時にいた!」とまさかの兄貴のところへ。兄貴、足洗って結婚してたのにかわいそう。覚悟を決めた兄貴は弟のことは漏らさず「お前の親父を許してない。俺の女を奪った」と男前。チーン。

それにしてもアルバニアセルビアだっつーの)マフィア関係なかったね〜どうしよっか?とイライラのボス。部下の一人が「謝るしかないのでは」と言ったらぷっつりきてしまったらしく射殺!チーン!殺された部下はなんと部下の一人・金髪顔でかいおじさんと恋仲(おっさんずラブ)だったのに…内心大ショックな金髪顔でかいおじさん。ボスは殺した部下の首を箱に詰めて別の部下にセルビアマフィアのところへ持って行かせる。だがしかし、そんなものでセルビアおじいちゃんが許してくれるわけもなく、別の部下は殺されてしまう。チーン。

その頃ニルスはセルビアマフィアたちが監視している隙をついてまんまとルネを誘拐。誘拐されたルネは落ち着いていて、ニルスの家でもおとなしくしている。寝るときだけ本を読んでとせがむが、ニルスの家には子供に読むような本などなく…。除雪車のカタログを読み上げるニルス。不器用過ぎるだろ。「これはうちにある、いい車」なんて愚直な男なんだ。添い寝までしてやるニルス。ルネ「ストックホルム症候群って知ってる?」お前が言うんかい。

翌日、誘拐したのに要求電話もしてこないのでボスはイライラ最高潮。ルネの学校の職員が連れ去った車を見ているということで金を渡して情報を聞き出す。車にニルスの名前(会社名)が入ってたのだ。名前を聞いてこないだ殺した兄貴の身内だ!と気付くボス。ついでに学校の職員チーン。

ボスたちがニルスの家へ急行しているとき、ニルスからボスに電話が。夕方くらいに一人でそっちに着く、と嘘をつくボス。もう向かってるし部下みんな連れてきてるもんね!ニルスはルネを除雪車に乗せてやって除雪ドライブ。近所の友達がニルスに声をかける。「なんかさっきお前んちに客がむかってたぞ」ついでのように知らされる冒頭に出てきた息子の同僚(発端の運び屋)の死。チーン。ニルスの家を家捜ししているボスたち。ニルスは家とは別の、仕事場で連中を待ち構えることに。その頃、セルビアマフィアたちはのんきに雪遊びやパラグライダーに興じていた。なんでや。おじいちゃんに電話がかかってくる。それは、ボスたちがニルスの仕事場へこれから向かうという金髪顔でかいおじさんの裏切りの情報提供だった!おじいちゃんたちはただなんの策もなしに遊んでたわけではないのだ!パラグライダーやってるやつはすぐ降りられないからほっといてニルスの仕事場へ急行だ!

ニルスは物陰に隠れて(ルネはわかりにくい安全な室内に一応隠した)到着したボスを狙撃しようとするが、後ろから部下に回り込まれて見つかってしまう。ボスと対峙、絶体絶命のニルス。そこへセルビアマフィアがババババーン!両マフィアが打ち合う中、上手いこと逃げ果せて除雪作業車に乗り込むニルス。なんやこれ?!なんか…丸太を…掴んで…ドーン!!!!する重機や!!ボスが乗ってる車の上に丸太ドーン!!!!

暗転した画面が9分割くらいされて一斉にチーン。両マフィア死にまくったらしい。ニルスは除雪車に乗り込み、その場を後にする(ルネは?)。なんと生きていたセルビアおじいちゃんが走っている除雪車につかまってたらしく、助手席に乗り込んでくる。ニルスに銃を向けているが、ニルスは気にする風でもなく運転し続ける。

夕方、警察がニルスの仕事場へやってくる。車の中で虫の息のボスを発見。ボスは「(元妻に)伝えてくれ、クソ女だと…」と言って死ぬ。チーン。ルネは無事保護される。ていうか勝手に空気読んで出てきた。怪我しなくてよかったね。

淡々と除雪しながら車を走らせ続けるニルス。おじいちゃんはやがて銃を向けることをやめ、足元に十を置く。息子を人間違いで殺された父親2人が、無言で除雪車で進んでいく。やがて夜が明ける。窓の外に、パラグライダーが…。「あっ…」ってなるおじいちゃんとニルス。パラグライダーが除雪車の前に墜落し巻き込まれる。チーン。それでも進んでいく、除雪車…。終わり。

 

えっオチ?!?!?!

 

なんとも言えない絶妙な笑いどころがたくさんある映画で結構いろいろ笑ってしまったんだけどこの独特な雰囲気をリメイクでやるのだろうか…?と思ったら監督は同じらしいので別にいいのかな。

しかしニルスはチンピラ相手に腕っ節がすごくて拳で黙らせるし、途中銃とか自作するので絶対カタギじゃないだろと思ったんだけど、兄貴が元マフィアというだけでニルス本人がなんだったのかは特に明かされたりもせず…。奥さんとの和解とかもなく、あとたぶん最後の決戦の場には金髪顔でかいおじさん来てないので、金髪顔でかいおじさんがどうなったのか描いてほしかったですね。ルネと少し離れてるけど一緒にシリアル食べてるシーンめっちゃ微笑ましくて好き。