私急行 BBA列車で行こう

主に電車の中で映画を見るBBAに差し掛かった女のネタバレ感想ブログ

ブラック・ミラー シーズン3 第1話

第1話「ランク社会」

ブラックミラーお得意の、スマホ端末と網膜で端末を閲覧できる機能で、SNS評価が人間の価値を決めて対面で星をつける世界観。うわーすっげー嫌!!

家を出た瞬間からすれ違う人に笑顔を振りまき素敵な会話をし挨拶がわりに5点満点の星を付け合う。星の平均値で職場も左右される。カフェの店員にもにっこり!して星つけてねアピール。インスタ映え的な写真をあげて評価がつくか仕事中もソワソワ(仕事しろ)。実名評価か〜きついなーと思ったら匿名で低評価も遅れる最悪仕様。点数が下がることを何よりもみんな恐れている。点数は実名とともにフルオープン。最悪な世界だな。

ちょっとぽっちゃりガタイよさめ女性の主人公レイシーは4.2.あたりをうろうろしている。幼馴染で今は疎遠なナオミは素敵な彼氏と素敵な生活を綴って4.8と高評価!そんなナオミから結婚式で親友としてスピーチしてと電話がかかってきてレイシーは大興奮!飛行機とってスピーチの練習して…結婚式には4点後半の人ばかり来るからそこで感動スピーチしたらたくさん高評価がついて…素敵な賃貸物件(高評価の人には家賃割引あり)にも住めちゃう〜!

同居している弟(3点台で自堕落な生活している)はナオミがレイシーをいじめてたと認識しているので浮かれるレイシーに呆れ顔。結婚式前夜に出掛けようとするレイシーに弟が苦言を呈して大げんか、3点台を恥ずかしいことと言われた弟はレイシーに低評価をつける。空港に着くと予約していた飛行機が欠航。キャンセル待ちの席は4.5以上じゃないと乗れない。レイシーは思わず空港の女性に暴言を吐いてしまい警備員に減点評価が二倍になるペナルティを課せられてしまう。レンタカーを借りて結婚式へ夜通し走ろうとするレイシーだが、点数が低すぎて古い型式の車しか借りられず、車のバッテリーが切れて充電しようにも古過ぎてスタンドで充電もできない。ヒッチハイクをしようにも今夜は度重なる低評価を食らって車の人たちは点数の低さを見て止まってもくれない。

しょぼくれて歩くレイシーに、おばさんのトラックの運転手が声をかける。評価が2点以下なのを見て遠慮するレイシー(お前さぁ…)。笑い飛ばしてレイシーを助手席に乗せてくれるおばさん。おばさんは旦那さんを病気で亡くした時、点数なんてなんの役にも立たないこと、友達だと思ってた人たちはうわべだけでみんな去ってしまったことから点数を気にするのや評価をつけるのをやめたそうだ。評価を気にするレイシーに昔の自分を見たおばさんは評価なんて気にせずに自分の言いたいことを言えばいいと諭す。レイシーは私はまだなにも手にしてない、満足できるなにかを手にするために頑張ってるの…と語る。

朝になり後部座席で寝ていたレイシーを起こしてくれるおばさん。おばさんと別れて、式場近くまで行くコスプレ集団にコスプレ元の作品のファンであると嘘ついて紛れ込んで乗せてもらうレイシーだが、そこへナオミから電話が。レイシーの現在の点数(2点台)を見て「来なくていい」と…。無情にもナオミに電話を切られ、さらに嘘がばれて車から追い出されてしまう。途方にくれるレイシーだが、トラックのおばさんがトランクに入れてくれたお酒を一気飲みして覚醒!!見知らぬ人からバイクを借りて疾走!しかし辿り着いた会場は3.5以上じゃないと警備が通してくれないので、裏口を探して森の中を抜けようとする。途中バイクでこけたからもはや泥だらけ。

インスタ映えイェーイな結婚式に、場違いな泥だらけのドレスで忍び込むレイシー。上手いことマイクをゲットし、勝手にスピーチを始める。ナオミにずっと憧れていたこと、ナオミはレイシーを見下すために自分のそばに置いていたこと、摂食障害で吐いている自分の髪の毛を持ってくれたこと、グレッグ(元彼?劇中には名前しか出てこない。新郎ではない)をナオミに寝取られたこと、サマーキャンプで初めて会った時一人で不安だったレイシーにナオミが話しかけてくれたこと…愛憎絡み合ったスピーチに、会場からは低評価の嵐、新郎の呼んだ警備員に取り押さえられるレイシー。ナオミ、愛してる…ナオミ!と叫びながら、レイシーは会場から強制的に追い出されるのだった…。

 

点数が底をついたからか、それとも大暴れした罰なのか、網膜から端末を奪われ、ガラス張りの独房?留置場のようなところに入れられるレイシー。呆然としながら泥で汚れたドレスを脱ぎ、ブラジャーに重ねばき用のチュールスカートというヘンテコな出で立ちのレイシー。ふと向かいの独房に黒人の男性がいることに気付く。なに見てんのよ、そっちこそなに見てるんだ?言い合う二人はだんだんヒートアップしていき、お互い罵詈雑言を浴びせ合う。なんだか楽しそうに。終わり。

 

レイシーは評価を気にしすぎなアホだけど悪い子じゃない(この世界ではみんなそれが普通)。SNSがさかんな現代の承認欲求を痛烈に皮肉った回で、高点数の人は高点数の人とつるみ高点数がインフレし、点数が低い人は雪崩式に落ちていく。もし自分が…と思うとゾッとする話だった。レイシーは弟と仲直りもして幸せになってほしいな。