私急行 BBA列車で行こう

主に電車の中で映画を見るBBAに差し掛かった女のネタバレ感想ブログ

サイレンス(2016年)

主人公は子供の頃に病気が原因で聴覚を失った女性。今は山奥の一軒家に一人暮らしをして作家として本を出したりしている。隣家に暮らすカップルと友達だったり、都会で暮らしている妹とはビデオ通話で会話をしたり、不自由なく暮らしている。

そんな彼女の家に仮面の殺人鬼が!殺人鬼は彼女が耳が聞こえないことを知り、わざと家に忍び込んで、彼女を徐々に追い詰めていく…。

 

みたいな話なんだけど、まずはこの殺人鬼の正体がなんなの?!というのが気になるところ。主人公は元彼のグレッグからのメールは無視したり、電話がかかってきても無視したりしている。寂しさから自分から思わずワンコールしてしまったりして、憎からず思ってるようなんだけど…。この「グレッグ」という存在、気になるよね、殺人鬼から彼女を救ってくれるキーマン?それとももしかしてこの殺人鬼ってグレッグなのでは?!と。

 

殺人鬼はまず隣に住む友達の女性を主人公の家の玄関先で殺すんだけど、彼女は家の中で洗い物をしてるから窓を叩く友達にまったく気付かない。次に殺人鬼は家に侵入して彼女の死角をウロウロして、こっそり彼女のスマホをかすめとり、それで彼女を後ろから撮影。彼女が仕事で見ているパソコンに写真を添付してメールする。「え?なんで私のスマホから私の今の写真が…も、もしや…」と恐る恐る振り返る彼女。外に出入りするドアがすこし開いてる…とそーっと外を伺うとそこには仮面の男が自分のスマホを持って立ってる!!!!

 

いやいやいやなんでよ、なんで存在バラしてさらに外にいるのよ。

 

彼女を単に殺すんじゃなくて怖い目に合わせて殺したいとのこと。もっと殺人鬼の一人だるまさんがころんだ状態を楽しめるのかと思ったけど予想外に早く存在をバラしてしまう殺人鬼。彼女は戸締まりして家に立てこもるんだけどスマホはないし外から電気は切断されるしでネットも繋がらず外部に連絡が取れない。

窓に口紅で「顔見てないし誰にも言わない、もうすぐ彼氏が帰ってくる」と後半は嘘だが立ち去るよう書く主人公だが、それを見た殺人鬼はおもむろに仮面を外してこう言い放つ。

「顔を見た」

で、その顔なんだけど…

 

誰なの?!?!

 

全然グレッグじゃない(グレッグは通話アイコンの顔写真から黒人男性っぽい)。全然主人公も知らない人。いや、でももしかしたら裏にグレッグが関係してるかも…??とにかく冒頭に意味ありげに存在が示唆されたグレッグが気になる私。

殺された隣家の女友達の彼氏が、帰ってこない彼女を心配して訪ねてくるんだが、家の中の主人公がそれに気付く前に殺人鬼と出くわしてしまう。恵体の彼氏に対して分が悪いと感じたのか、保安官補を装って対応する殺人鬼。隙を見て彼氏もやられてしまう。

家の中から友達の彼氏もやられたのを見て、主人公は思索する。逃げるのも無理、外に連絡もできない、つまりこっちが殺るしかねぇ!!

ついに家の中に窓を割って入ってきた殺人鬼と直接対決することに。浴室で息をひそめる彼女の背後に、ゆっくりと忍び寄る殺人鬼。その息が…首筋に…その一瞬で殺人鬼のナイフから身を交わし逆に一閃ナイフを殺人鬼の脇腹に突き立てる!!

この身のこなし、こいつ(主人公)何者だよ!

しかしすでに何回か殺人鬼とのすれすれの攻防で負傷している主人公、浴室から逃げて台所に向かうも倒れてしまう。追いかけて近づいて来た殺人鬼。

の顔に殺虫剤をビャー!!さらに耳の聞こえない自分用に振動でわかるようめちゃくちゃ音がでかくなってる火災報知器を発動させてその音で殺人鬼を怯ませる(これは冒頭、女友達と話してる時に発動してたのでいつか役に立つんだろうなーと思ってた)。殺人鬼につかみかかられ、床に押し倒されて首を締め上げられる主人公。意識を失いそうになるが…床に落ちていたワインオープナーをつかみ殺人鬼の首に突き刺し、見事トドメを刺すのだった。

取り返した自分のスマホで通報し家の外で座り込んで待つ。そして救急車がやってきた。終わり。

 

グレッグ関係ない!!!!

 

最後の最後にグレッグがなんか関係していて…みたいのあるかと思ったけどなかった。グレッグの意味とは。最近ネットでチェーホフの銃というのが話題になってましたが、グレッグの存在が示唆されたことでなんか意味があるんだろうなと思ってしまいますね。主人公の耳が聞こえなければ、それが逆に主人公にとって有利になる展開があるはず、とかね。それは実際火災報知器のシーンがそうで、彼女には聞こえない大音量で殺人鬼は怯んだわけで。あと主人公が作家だったのも、作家として話を脳内で考える時にもう一人の自分の声と一人ボケツッコミみたいのやってたんだけどそれが危機的状況を分析することに役立ったりという形でちょっと弱いけど活用されていた。

結局殺人鬼は通りすがりの快楽殺人犯だったんですかね。別に主人公のストーカーとかそういうわけでもなかったみたい?なんかでかいボウガン用意してたり仮面つけてきたり、気合いは十分だったけどね。よくわからないやつだ。