私急行 BBA列車で行こう

主に電車の中で映画を見るBBAに差し掛かった女のネタバレ感想ブログ

ブラックミラー シーズン2 第1〜4話

基本的に今より少し進歩した未来が舞台。

 

第1話「ずっと側にいて」

夫を交通事故で亡くした女性が、亡くなった人のインターネット上の情報を集積して作られたAIとメールやチャット、通話で会話ができるサービスを始める。夫が死んだ矢先に妊娠がわかり不安定だった主人公はそのサービスにのめり込んでいくが、上位サービスでA Iが肉体を付与されると、だんだんと気持ちが変わってくる。本物じゃない、本当の彼はこんなじゃない、こんなこと言わない、こんな風に話すはず…自分の中にある彼のイメージと、目の前にいる彼そっくりの人間のようなものがどんどん乖離していく。ついに崖っぷちに連れて行ってここから飛び降りろと強要してしまう…。

数年後、すっかり大きくなった娘の誕生日を祝う彼女。娘が屋根裏の彼にもケーキあげていい?とねだる。屋根裏には、全く変わらない姿の彼が佇んでいた。優しく娘の誕生日を祝う。

生前、夫が言っていた。兄弟や父親が死んだ時、母親は写真を全部屋根裏に持って行ってしまった。だからこの家のリビングには自分の作り笑いの写真しかないのだと。彼女もまた、作り物の彼を屋根裏にしまい込むことで夫の死を受け入れることができたのかもしれない。ずっと側にいるけど、ずっと側にはいることができない。

 

第2話「シロクマ」

見知らぬ民家で目覚めた黒人女性。記憶がなく自分が誰か、ここがどこかもわからない。リビングに自分と、親しげに並ぶ男性の写真。それから黒人の少女の写真。夫と娘だろうか…?家から出ると人は少なく、民家の中や遠くからなぜか女性を携帯電話で撮影してくる。そこへ怪しい仮面をかぶった武器を持った人間が現れ女性を襲撃してくる。助けを求め逃げ惑う女性だが、集まってくる人たちは遠巻きに撮影してなんだか楽しそう。二人組の男女が助けてくれるが、男の方は襲撃者によって撃たれてしまう。主人公は女性と一緒に逃げることに。

なんだかんだあって、実はこの逃避行劇自体が演出で、女性への刑罰であることが明かされる。主人公は写真の少女を、一緒に写真に写っていた恋人の男と一緒に誘拐、殺される少女を撮影し続けていたという罪を犯していた。男は獄中で自殺しており、主人公は一人で罰を受け続けている。拘束されて、監修に撮影されながら罵声を浴びる主人公。また最初の民家に戻され、薬を打たれ、記憶をなくす。また明日も同じことを繰り返す。

助けてくれた男女や怪しい仮面の襲撃者たちはこの「ツアー」の演者で進行役。監修たちはツアーに申し込み、進行役たちの指示の通り遠巻きに主人公を撮影するのだった。

 

第3話「時のクマ、ウォルドー」

とある番組の例えるならチコちゃん的CGキャラクターのクマ、ウォルドーが民衆の人気が出過ぎて、政治家批判もして、選挙に担ぎ出されてしまうが、中の人はそれに違和感があり、やがてプロデューサーに反抗する。クビになり中の人が変わるウォルドーだが別に民衆の人気は変わらないのだった。あぁ無力。

 

第4話「ホワイト・クリスマス

ブラックミラーのなかではたびたび、頭や首やに端末を埋め込んで、記憶を管理したりする技術が一般化していて、この話でもみんなそういうのを備えている。SNSみたいに相手をブロックすることもできる。ブロックすると相手にモザイクがかかって、話もできなくなる。その技術の弊害で起きてしまう悲しい事件と、また別の技術を用いた刑罰を描いた話。登場人物の誰に、というわけでなく全体的にこの社会に腹の立つ話。進み過ぎた技術に怖気を感じるわ、プンプン。たぶんそういうのを狙ってるんだろうな…。