私急行 BBA列車で行こう

主に電車の中で映画を見るBBAに差し掛かった女のネタバレ感想ブログ

アイム・ノット・シリアルキラー(2016年)

田舎町に暮らす高校生ジョンのお家は葬儀屋さん。両親は離婚していて、お母さんと叔母さんが葬儀屋さんをやっている。ジョンは遺体の処置の手伝いなどをしているせいか、殺人鬼に興味があるような親近感を持ってるような少年。そんな少年を描いた厨二病青春ムービーか?それとも殺人事件に迫ることになる田舎町サスペンススリラーか?

しかし、家業とは言え未成年に遺体処置(エンバーミング?血液と入れ替える液体がどぎついショッキングピンクなのだが、演出なのか本物もこんなすごい色なのだろうか…)を手伝わせるなよ…と思うのだがこのお母さん、その割に結構真面目なのだ。お姉ちゃんはそんなお母さんと性格が合わないらしくすでに独立している。

学校の自由研究で例年殺人鬼のレポートを書いているジョンは学校にお母さんを呼び出されてしまう。セラピストのカウンセリングも受けている。気に入らない奴を切り裂きたい時があるけど、やってしまわないようにしているとセラピストに話すジョン。そんな時、臓器が一部持ち去られている死体が発見され田舎町は騒然!検死を終えた遺体はジョンの家の葬儀屋さんに運ばれてくる。

事件に興味を持ったジョンは現場を見に行ったりして、路上に謎の黒いコーラタールのような液体を見つけたりする。

ハロウィンパーティーの夜、ジョンは怪しげな男を見かけた気がする。後日、セラピストとバードウォッチングカウンセリング(なんやそれ)をして双眼鏡を覗いていたらまたその男を発見する。男を追跡することにするジョン。男は白昼の町中で、釣り道具を持った老人に声をかける。あっ!このおじいちゃん!ジョンの家のお向かいさんじゃないか!一緒に釣りに行ってもいい?とおじいちゃんの車に乗り込む男。このままではこの怪しい男にお向かいのおじいちゃんが殺されてしまうのでは?!ジョンは自転車でおじいちゃんの車を追跡!(どうでもいいけど映画に出てくる欧米の少年はなぜみんなこの手のBMXに乗ってるんだろう?必ずみんな通る道なのかな?)おじいちゃんの車は人気のない森の凍った湖へ…釣りの準備をしているおじいちゃんの背後に忍び寄るナイフを持った男…おじいちゃん危なーい!!!!

と思ったら男はおじいちゃんにあっさり返り討ちにあう。

え?今おじいちゃんの腕が硬質化して伸びて男の胸を貫かなかった?寄生獣

と戸惑っているとおじいちゃんは男に対してプリプリ怒りながら、自分の胸から黒ずんだ肺?を取り出してポイッ!そして男の胸から肺?を取り出して自分の胸にIN!深呼吸してンー!爽快ー!!

それを林の中から息を潜めて目撃してしまうジョン。おしっこちびった。

 

えっ?そういう映画だったのか…!!

 

その後もこっそり化け物ジジイの動向を調査するジョン。大好きな奥さんとダンスパーティーに行くが足がしんどくて自分だけ休憩させてもらうジジイ。すると別のジジイ(床屋)が「奥さんと踊ってもいい?」と聞いてくる。その場は快諾するジジイだが内心面白くなかったらしく、別の日に床屋ジジイの床屋へ行って床屋ジジイを殺そうとする。窓から覗いていたジョンは防犯ブザーを鳴らして近くを通りがかったパトカーの警官に気付かせることに成功するが、なんとジジイ、店に入ってきた警官二人もあっさり殺してしまう。ジジイ、無敵かよ。

ジョンは何食わぬ顔でジジイの奥さんとお話ししたり体調の悪いジジイのお風呂の介助をしたりして情報収集したり、ジジイの家に匿名の「お前の正体を知っている」と手紙を送ったりする。それを見て引きこもりがちになるジジイ。たぶんジジイは自分の体に不調が出てきたら誰かを殺して自分の部位と入れ替えていると思われる。

クリスマスの夜、離婚したお父さんからのプレゼントがクソみたいなものだったことにむしゃくしゃしたジョンは公衆電話からジジイに電話をかけ手紙の送り主だと名乗る。ジジイは「俺お前が思ってるよりめっちゃ殺してるからな」と脅してくる。そしていつのまにか電話しながら車に乗ってたらしく、ジョンのいる公衆電話にジジイの車が迫る!逃げ出すジョン。唯一の友達(ジョンは家が葬儀屋であることや言動から変人扱いされててぽっちゃりくんしか友達がいない)の家に逃げ込むが、家の周りをジジイがうろついている。うっかり友達に対し失言してしまい追い出されるジョン。外をうろついていると、ジジイが友達のお父さんを襲ってるのを発見!止めようとするが友達のお父さんはもう完全に死んでいて、ジジイに凄まれて逃げ出してしまうジョン(なおパンダ目出し帽をかぶっていたのでジョンとはバレていない)。

どうしたらジジイをどうにかできるのか?セラピストとのカウンセリングの中でジジイが失いたくないものは愛、つまり奥さんだ!と思いつくジョン。ジジイが夜中に車で出かけて獲物を探しに行くのを狙ってジジイの家に忍び込む。眠っている奥さんの写真を撮るジョン。しかし奥さんが目覚めそうになり暴れたのでつい枕元の電話で殴ってしまう。「取り返しのつかないことをしてしまった…」とセラピストにその場で電話するジョン(じゃあなにするつもりだったんだ…)。「やり直せる」と説得しようとするセラピスト。ジョンは電話を切り、気絶した奥さん(殺してなかった…)の写真を撮って奥さんのスマホからジジイに送る。『僕のターンだ』ジョンはジジイにもう町の人を殺させないで、そのままジジイが死ぬことを狙っているようだ。奥さんの命を盾にとって。車で引き返してくるジジイ。ジジイと入れ違いで家を抜け出したジョンはジジイの車の後部座席に、セラピストの死体が乗ってるのを見つける。さっき電話で話してたのに…。今度は心臓が不調らしいジジイ。まだ心臓がとられていないのを確認すると、渡すもんかと死体を森の中は引きずって隠すジョン。家の方に戻ってこれたのは朝方だった。車の前で立ち尽くすジジイを見かけるジョン。歩いて家に帰ってくるジョンを道越しに見つめているジジイ。その表情は、ピントが合っていないからわからない…。

 

ジョンのお母さんの葬儀屋さんで、ジョンの友達のお父さんのお葬式が行われる。手伝いをしているジョン。お葬式中に、式場に入ってくるジジイ。よろつきながらジョンの真隣に座る。セラピストはジョンからの電話が切れた後、寝巻きにガウン姿でジョンを探して路上を駆け回ってるところをジジイに見つかり殺されたようだった。泣きそうになるのを堪えるジョン。精一杯ジジイに虚勢を張る。ジジイはセラピスト(というか心臓をもらう相手)の代わりを探すとジョンを脅すが、咳き込み始める。式は終わりみんなが退席していく中、まだ式場内に座って咳き込んでいるジジイ。ジジイ一人を残して式場の鍵を閉めるジョン。お姉ちゃんに「後片付けしてから墓地に行くから先行って」と言うと「お母さんまだ中にいるよ」えっマジ?!慌てて中に戻ると、式場にジジイの姿がない。嫌な予感とともに地下の遺体処置室へ…。

遺体を置く台にお母さんが寝かされ、その隣にジジイが佇んでいる。「あの死体はどこだ?」お母さんの顔のすぐそばに手があり、いつでもお母さんを殺せるのがわかる。誰でもいいと言いながらセラピストの心臓にこだわるあたり、男性の体だから女性の心臓じゃなくて男性の心臓がいいのかな?これまでの被害者も男性ばかりだし。寄生獣もそうだったよね、最初に寄生した性別な体じゃないと上手く操作できないって…(なんでも寄生獣に待っていく病気なので)。冷凍庫に入ってると嘘をついてジジイをお母さんから引き離し、遺体を吊るクレーンの棒でジジイを殴打!案外簡単に気絶するジジイ。

気絶していたお母さんが意識を取り戻し、ジジイに襲われたからと警察を呼ぼうとするが、ジジイの手が黒い液体まみれの化け物じみた変な手になっているのとジョンの「前も警官が殺された!」の発言を信じてくれ、ジョンの指示に従い二人でジジイを強制エンバーミング!!どピンクの液体がジジイの体の中の黒い液体を押し出していくぞ!意識を取り戻し痛いと騒ぐジジイ。そら強制的に血を抜かれてるんだから痛いよね…。黒い血を抜かれたジジイの体は黒ずみ、床に溢れた黒い血の中から悪魔のような異形(本体?)が姿を現わす。ジジイは生きることを諦め、「妻を頼んだ」とジョンに言い残し、本体もジジイ体も黒い液体となって消えていくのだった…。

後日、療養中のジジイの奥さんを見舞うジョン(襲撃時は顔を見られていない)、奥さんからジジイとの出会いやプロポーズの話を聞く。出会ったばかりの頃、奥さんの家のパーティに招かれた時、台所で泣いていたという若ジジイ。奥さんへの愛に目覚め、彼女にそれを告げたという話。それから、彼女とずっと一緒にいたくて殺人(と臓器強奪)していたのだろうか…。

叔母さんとお母さんと一緒に警察に発見されたセラピストの遺体を処置するジョン。ジョンを気遣って遺族セラピスト呼ぶ?と尋ねるお母さん。セラピストのことを他のセラピストに話すのは彼に悪い気がする…と笑うジョン。エンバーミングを開始する。終わり。

 

思ってたのと全然違ったけど、三大「近所のジジイが実は」映画に認定したい。

ドント・ブリーズ

グッド・ネイバー

アイム・ノット・シリアルキラー

 

ジジイを演じているのはかのBTTFのドクを演じたクリストファー・ロイドなんだけど、劇中で名前だけ出てくる30年前の被害者の名前が「エメット」で、ドクも本名エメットなんだけどこれはなんかお遊び的要素なのかな?エメットってそんなによくある名前なのかどうか。