私急行 BBA列車で行こう

主に電車の中で映画を見るBBAに差し掛かった女のネタバレ感想ブログ

ロブスター(2015年)

Netflixで見てる。

謎の世界観。必ず結婚、パートナーを持たないといけない世界(街中で警察に職質されて、パートナーがいないとしょっぴかれるらしい)で、パートナーと別れて独り身になると謎のホテルに連れていかれて45日の期限ありの婚活共同生活みたいのをしなくてはいけない。さらに期限を過ぎてパートナーが見つけられなかった場合、謎のテクノロジーで動物にされてしまう。でも、なんの動物になれるかは自分で選べるらしい。ヤッタネ!

主人公は眼鏡にちょい幅広の男。他に好きな男ができた妻に別れを告げられ、すでに犬となった兄とともにホテルにやってくる。

ホテル滞在中、たびたび森に麻酔銃で武装して滞在者みんなで狩りに行くのだが(序盤、ホテルの受付で狩りの単語ができたときにてっきり婚活の比喩表現かと思ったが本当に狩り)、標的は森に住んでるらしい人間。何者??一人狩るとホテル滞在が1日伸びるよ。ヤッタネ!

だんだんとこの世界の人たちは恋愛において異様に共通点に固執してるようなことがわかってくる。足の悪い男は足の悪い女がなかなかいないことに落胆し、鼻血のよく出る女とカップルになるために鼻を壁に打ち付けたりして鼻血を出ししれっと「鼻血がよく出るんだ…」とか言う。髪の美しい女は、主人公の髪を「パサついてるわね」と評しパートナーを見つけることなく動物になることを受け入れる。いや、別に良くない?共通点があったらそらいいかもしれないけど、なんでそんなに固執するの?

主人公は冷酷な女とカップルになるため(見た目がタイプだったのかな?)無理して自分も冷酷な男を演じ、作戦成功でカップルになる。しかし女は主人公の兄(犬)を主人公が寝てる間に蹴り殺し、平静を装うも死体を見て泣いてしまった主人公にブチギレ。「お前を誰も望まない動物にしたらぁ!」と主人公を追いかけ回す。なんとか返り討ちにした主人公は昏倒した女を「動物変身ルーム」に連れ込んでなにかの動物に変えてしまい、自分はホテルから逃げ出したのだった。

 

主人公が逃げ込んだ先は狩りに行っていた森。ここには独り者コミュニティが暮らしていた。狩りの標的の人間はこのコミュニティの人たちだったのだ!ここはホテルとは真逆の「恋愛禁止」。でも主人公はコミュニティの女性と恋愛関係になってしまう。二人の共通点は近視であること。主人公は彼女に話しかけるコミュニティの男性に嫉妬なのか「近視か?!嘘ついてないか?!」と詰め寄ったりする。なんなんだその共通点至上主義の価値観。皮肉か。

恋愛してるのがコミュニティのリーダーの女性にバレてしまい(二人だけの合図を作りまくって、しまいには声を発さずに会話ができるくらいになって野球監督のベンチからのサインみたいになってしまっている。そんなんが二人がいたらおかしいやろ)、彼女はリーダーの策略で失明させられてしまう(恋は盲目〜とか思ってたら本当に盲目にされてしまった…)。近視の共通点がなくなってしまった!と主人公は他の共通点を探るんだけど(ドイツ語は喋れる?ピアノは弾ける?)上手くいかない。ええやん別に…。リーダーをだまし討ちして気絶させ、森から逃げ出す二人。

街のレストランに着いた二人。主人公はステーキ用ナイフを店員に頼み、彼女に「すぐに戻ってくるよ」「待ってるわ」なーんて言ってナイフを手にトイレに。鏡の前で震えながらナイフの切っ先を目に向ける…。

いやいやいやいや、お前まで失明してどーすんの。

ナイフを刺すギリギリで、場面は待っている彼女に切り替わる。なかなか戻ってこない主人公を、じっと待つ彼女。

主人公は戻ってこないまま、暗転しタイトルが当たり、エンドロールへ…。

ロブスターは、主人公がなりたい動物。

エンドロールの歌が終わり、波の音が響く…終。

 

やっぱ失明すんのやーんぴ!と逃げ出して独り身警察に捕まって結局ロブスターになったのでしょうか?

共通点に固執するあまり、手に入りかけた真実の愛をみすみす逃してしまったアホな男なのか?彼女は彼の背中の届かないところに軟膏塗ってくれたり優しかったけど、主人公は失明した彼女を支え続ける選択肢はなかったのだろうか。この世界が、それを許さないのだろうか。

 

面白かったは面白かったんだけど、私はあんまりブラックユーモアとか暗喩とか得意じゃないので難しかったです!