必ず捕まえる（2017年） - 私急行 BBA列車で行こう

Netflixで見た。その前に見た「サバハ」の関連で出てきたのだが、サムネとタイトルがゴリゴリのスリラーかな？！と思われたので「殺人の追憶」系かなと見てみることにした。

守銭奴で歯に衣着せぬ物言いの大家さん（兼鍵屋さん）の周辺で老人の死亡事件が相次ぎ、ついにはアパート住人で元刑事のチェさんも自室で首を吊って死んでしまう。チェさんの死の当日、チェさんの部屋で一緒にお酒を飲んだ大家さんは、30年前にあった老人連続死亡事件の話を聞く。事故や自殺、自然死に見せかけた老人の死が続いた後に、若い女性が殺されたのだという。チェさんは今この町で同じ事件が起こっているのではと思っていたのだ。

執拗な家賃の取り立てでチェさんを自殺に追い込んだと町の人たちに誤解された大家さん、性格は悪いけど悪人ではないのだが…。

チェさんの部屋を探っていると、そこにチェさんの元同僚のパク刑事が現れる。パク刑事は30年前の事件で、チェさんと一緒に目の前で先輩刑事を例の犯人に刺された経験があった。車の中にいたチェさんに追うよう叫んだが、チェさんはその場から動けなかった。パク刑事はその時見た犯人の目をしっかりと覚えているという。チェさんは疎遠になっていた息子と会う約束をしていたから自殺じゃないと断言するパク刑事。

アパートの別の住人、若い女性のジウンもまた家賃滞納の常連だった。しかし少ない給料を親に仕送りしていることを偶然知ってしまった大家さん。そんな彼女がチェさん死亡後、姿を見ていなかった。ジウンと彼女の部屋に来ていた女友達は謎の侵入者に襲われ、女友達は殺されジウンは拉致されてしまったのだ。大家さんとパク刑事は女友達の死体をジウンの部屋で発見し、警察に通報すると拉致されたジウンが殺されてしまうのではと二人で捜索を開始した。

ふと街中で出会った男にパク刑事の顔色が変わった。男は全身不随の妻を車椅子に乗せ、甲斐甲斐しく介護している漢方医で半年前にこの町にやってきた。大家さんがほの字の女性が経営するトースト屋の常連でもある（実はパク刑事によって、彼女が30年前の事件の生き残りであることが明かされている。何も覚えていないらしいが…。あやしい。30年前の事件の経験がきっかけで彼女にも殺人衝動が目覚め、昔の事件をなぞるように犯行を重ねているのは彼女なのでは…？！と疑う私）。病院の無料診察の列に並び、漢方医と対峙するパク刑事は、30年前の犯人だと確信する。一方漢方医もまた、パク刑事の目を見て何かを感づいたようだった（私はここで、パク刑事は失明しそうな病気でも抱えてるのかな…？と思った）。

漢方医を尾行する二人。家に帰った漢方医は奥さんを置いて一人で買い物に出かける。パク刑事は自分が尾行してるから家に侵入してジウンを探すよう指示する。えぇ〜っとなりながらも大家さんは鍵屋さんなのでピッキングであっさり侵入。室内で車椅子の奥さんに出くわすが、苦しそうに呻くだけで喋ることもできないようだ…えっもし漢方医が犯人だったら、もしかしてこの奥さん、奥さんじゃなくて拉致された被害者なのでは…？！体の自由を奪われて奥さんさせられてるのでは…？！嫌…。怪しい厳重な鍵のかかった物置きを発見した大家さんは鍵を破壊しようとするがそこに漢方医が帰ってきてしまう！大家さんを帰そうとする漢方医の態度に疑念膨らむ大家さん。尾行中に漢方医を見失っていたパク刑事も追ってきて、拳銃を突きつけて三人で物置の中に。

そこにはなんと！大量の芥子の花が！

妻の治療に必要なので〜と言い訳する漢方医をなじるパク刑事、激昂して発砲するが、なんと拳銃がおもちゃであることが発覚。漢方医は大家さんに彼のポケットを探るよう言う。パク刑事の首には金属製の名札がかかっており、裏面には「認知症患者」と…。

我を失い呆然と独り言を呟くパク元刑事を、大家さんから連絡をもらった病院の人とパク刑事の息子が迎えにきた。パク元刑事の息子は現役刑事らしい。車を見送った大家さんと漢方医。大家さんは芥子の花のことは他言しないと言い、漢方医は大家さんにお灸をしてくれる（もし漢方医がやっぱり犯人だったら大家さん殺されるのでは…とヒヤヒヤした）。

しかしじゃあ犯人は誰なの？と大家さんは原点に返ってチェさんとの会話を改めて思い起こし、被害者になりそうな老人のことをチェさんが言ってたことを思い出す。そして訪ねて行ったら老人は首を吊って死んでいたのだ…現場には殺されたと思われる犬と、その傍に見覚えのある鍵が落ちていた。老人の飼い犬が犯人のズボンを噛みちぎって落ちたのか？これは大家さんが序盤で客の依頼で作った鍵なのだ！鍵の家に向かい中に入る大家さん。部屋の中には被害者の老人たちの写真が。偶然にも別ルートで死んだ老人に行き着いた制服警官が跡をつけてきており犯人と一瞬疑われるが、二人で部屋の持ち主の職場へ行くことになる（ここでの疑われて云々がグダグダしないで短いの好感度高い！この警官は序盤から出てるけど真面目だし頭の回転はいいんだよな）。

チェさんは生前よく駅に行っていたという証言があったのだが、部屋の持ち主は駅職員だったのだ。チェさんはこの男にも目をつけていたのだ。チェ刑事は有能だったのだな…。老人を蔑視している男と、大家さんと警官ですったもんだ格闘するが、逃げ出した男は突如ひき逃げされてしまう。老人連続死亡事件はこの男が犯人で、犯人死亡として処理されてしまうのだが、肝心のジウン拉致に繋がる証拠は出てこなかった。警察にジウンの話をするも取り合ってもらえない大家さん。今度はトースト屋さんの女主人に話を聞きに行く。彼女は犯人の顔は見ていないが、触ってきたときの手の感触がおかしかったのは覚えているという。指が6本指だったと…（サバハかよ）。

パク元刑事の入院先に行き、30年前の犯人について6本指に心当たりないか尋ねる大家さん。パク元刑事は大家さんをチェ刑事と混同しているときがあったのでチェ刑事を装ってみる（泣ける…）。だがパク元刑事は「ジャージャー麺食べたい！」と思考に脈絡がなく、諦めて帰ることにする大家さん（病院で出前取れるかな〜看護師に聞いてみる、と言うのが優しい…序盤の性悪大家さんがずいぶん変わった気もするが、大家さんは守銭奴ではっきり物を言うけど、優しさがないわけではないんだよな）。だが、帰り際にパク元刑事が言う。

「俺が言っただろ、犯人はあいつだって」

その言葉にハッとなる大家さん。

向かった先は、漢方医の家。パク刑事の言葉をやっぱり信じることにしたんだな！！

漢方医に診察を頼み、脈を取ってもらう大家さん。その手の指は5本だが、しかし親指に手術痕が。

「指が一本多いから切ったのか？」

顔色を変える漢方医。カマかけは成功したが、ジウンの居場所を吐かせようとするも先手を取られて置いてあったトロフィーで殴られ昏倒させられてしまう大家さん。

気付くと芥子の花の栽培場の奥の隠し部屋で、そこには手術台のようなところに拘束されて寝かされたジウンが！なにか点滴されて動けないらしい。全身不随の奥さんをかついだ漢方医がやってきて、もう奥さんの世話は大変だし、出会った頃の妻とそっくりなジウンと交換するんだ〜などとのたまう。「消えても誰も気にしないところも、妻と一緒だ」ってやっぱり奥さんも拉致された被害者だったの…？いや〜。しかも奥さんの方はここで処分するつもりらしい。ジウンの腱を切るために電鋸を取り出す漢方医。大家さんも拘束されて動けない！誰か〜！

そこに現れたのはなんとパク元刑事！手には拳銃！（病院に世話しにきていた現役刑事の息子の拳銃をこっそり持ち出して抜け出してきたのだ！よく抜け出せる病院だな！）

漢方医の耳を撃ちジウンと大家さんを逃がすパク元刑事だが、漢方医は意外と強くて格闘となる。ここで漢方医が30年前の邂逅の話をする。実は、先輩刑事が刺されたとき、追うように叫んだのはチェ刑事のほうで、怯えて車の中で動けなかった刑事こそがパク刑事だったのだ…。30年の後悔は記憶を捻じ曲げていたのだった（電車の中だったので堪えたが、家で見てたら号泣していたかもしれない）。格闘の末、自分が腹を撃たれてしまうパク元刑事。漢方医は奪った銃で無慈悲にも妻を撃ち殺し、ジウンと大家さんを追うのだった。

大雨の中、体の自由がきかないジウンと自分も怪我をしている大家さんはジウンを物陰に隠して漢方医と対峙する。しかし漢方医強い。そこへ腹を撃たれたパク元刑事が参戦。丈夫だな。三人で大雨の中、泥仕合！どろ…どろどろ…。なんとか二人掛かりで漢方医を押さえつけ、パク元刑事は漢方医を殺そうとする。必死で止める大家さん。

「俺の30年なんだと思ってるんだー！」

「わかってるけど殺しちゃだめだ…警察に任せよう、パク刑事」

パク刑事って呼び続ける大家さん優しい。そして男泣きするパク元刑事の肩を抱き、「よく考え直した」と優しい。

漢方医は逮捕され、事件の全容が明らかになった。パク元刑事はチェ元刑事のお墓参りをして、気持ちに区切りをつけるのだった（よく抜け出せる病院だな）。

怪我で入院している大家さんは、無事だったジウンとトースト屋さんの女主人（最初疑ってごめんね）にお見舞いに来てもらい、嬉しそうなのだった。ヨカッタネ！

そして画面が暗転し…タイトル！

「THE CHASE」

えっ！ダサくない？終

私は映画を見てる時に「これ日本人でやったら誰がいいかな〜」と脳内キャスティングするのが好きなのだが、大家さんは本田博太郎さんがいいなと思った。

大家さん…本田博太郎

トースト屋さん…南果歩（真犯人と疑ってたからこのチョイス）

チェ元刑事…村上ショージ